EOS 5D Mark IVレビュー
作例で分かる“描写の違和感”と
Leicaとのリアルな差
キャノン イオス5D mark4 レビュー
20年近く仕事はEOSのデジタルフルサイズ一眼レフカメラを使用してきました。遍歴で言うと5Dmark2→6D→6Dmark2→5Dmark4です。仕事で使うレンズはほとんどがEF24-70mm F2.8L II USM。撮影内容的にズームレンズが無いと厳しいので。壊れたら修理するなり新たに購入を繰り返し、このレンズに関しては本当にずっと使ってます
仕事以外では作品撮りで使う事もあり、EF28mm F2.8 IS USMとEF35mm F2 IS USMを所有しています
EOS 5D Mark IVの印象は使い勝手が良い(プロユース)、故障が極めて少ない。聡明な描写。良い点を上げるとこんな感じです
悪い点といういうか他のカメラとの比較では描写がフィクションぽく感じる点です
作品撮り用にLeicaQ typ116|Summilux 28mm f1.7 ASPHを所有しています。描写だけで言うとこのカメラが一番好きで、このカメラと比較するとフィクションぽく感じるというだけです
私が描写に求める事が2点あります
・透明感がある
・被写界深度外の描写が美しい
数値化すると
LeicaQ typ116
Summilux 28mm f1.7
透明感 9.5点
被写界深度外の描写 9.5点
EOS 5D Mark IV
EF28mm F2.8
透明感 8.5点
被写界深度外の描写 7.5点
透明感についてはEOS 5D Mark IVはレンズ関係なしに、許容範囲のレベルなのですが、被写界深度外の描写が嘘ぽいと言うか少し納得いきません。反対に言えばピントの合ってる箇所(被写界深度内)はかなり好きです。また状況によってはこのフィクションぽい描写が良い方向にいくこともあります
LeicaQ typ116の話しが出たので比較画像を貼っていきます
LeicaQ typ116との比較
LeicaQ typ116
EOS 5D Mark IV
レンズはどちらも28mm。絞りはf4で撮影してます。似たような状況ですがライカの方は部屋に差し込むのが曇天の光。イオスが晴天の光。ミモザから壁までの距離とミモザから犬もしくは子供までの距離に多少差異はありますがライカはピントの合ってる箇所もそうでない箇所に綺麗と言うか、おおげさに言えば空気まで映してる感覚になりますが、イオスはピントが合ってる箇所とそうでない箇所で描写がかなり違うように感じます
違う言い方をすればライカの写真はミモザも犬も主役。イオスは主役はミモザ。子供は脇役(ボケ味)。そんな風に見えてしまうのです
LeicaQ typ116
EOS 5D Mark IV
この写真は構図を変えた事で上の写真の犬と下の写真の子供のボケ具合がかなり近いのですが上の犬がボケてるのだけど存在し、下の子供のボケはボケでしかなく感じます
LeicaQ typ116
ズミルックス28mmの描写は本当に素晴らしい
EOS R6 Mark3のレビュー記事
イオスとEFレンズだからこその写真
EOS 5D Mark IV
EOS&EFレンズらしい聡明さの引き立つ写真だと思います
EOS 5D Mark IV
若干のフィクション感が幻想的に映るよい例
EOS 5D Mark IV
この諧調(トーン)はかなり好みです
EOS 5D Mark IV
背景の枝と葉の描写が好きです。EFレンズは絞りをf5.0~5.6くらいが一番映える気もします
EOS 5D Mark IV
商品撮影(物撮り)。商品の輪郭がしっかり出つつも、トーンが良い感じです
EOS 5D Mark IV
逆光での描写です。100満点では無いけど、いい線いってると思います
EOS 5D Mark IV
聡明さとノスタルジックが共存している写真だと思います
EOS 5D Mark IV
輪郭がしっかりしていてメッセージを感じる写真。EFレンズは何か訴えるイメージを撮影するのが得意かも知れません
EOS 5D Mark IV
うさぎ年をイメージした写真です。主役をしっかり引き立ててると思います
EOS 5D Mark IV
夜の人物写真です。描写的には大した事はありませんが、この光量で三脚を使わず手持ちで撮影して、ここまで映せるカメラ&レンズ能力は素晴らしいと思います
EOS 5D Mark IV
抒情的な描写になりました。主観ですがEFレンズは青系(シアン&ブルー)とグリーンが映えるイメージです
イオスとEFレンズが凡庸に感じる写真
EOS 5D Mark IV
LeicaQ typ116
似たようなシチュエーション。絞りはどちらもf3.5で撮影してます
背景の描写がキャノンは只のボケとして処理され、ライカは背景の木や緑がボケつつも女性を引き立ててるイメージです
キャノンは特に明暗差がある状況下で、被写界深度外の描写が飛びすぎ&沈みすぎになる感じです
日本庭園、曇天下での人物撮影です。1枚目の葉っぱの前ボケがかなりがっかりな感じですが、それ以外は十分秀作レベルの写真だと思います
ですがこの状況をライカのズミルックスで撮影したら、おそらく諧調豊かな空気感が素晴らしい写真になったんじゃないかと思います
ならライカを使えばいいとなりますが、実はここがミソで単焦点28mmレンズは撮れるシーンと言うか構図が限られます。24-70mmなら様々なシーンで色々な構図の写真が撮れます
EFズームレンズの描写は描写特化カメラ(レンズ)より若干劣ります。点数を付けるとするならEFレンズの描写は95点以上の傑作が撮れる確率は高くなくとも、コンスタントに75~85点の秀作写真が撮れます。また撮影が止まることが99.9%ありません。不具合が出ないからです
描写特化のライカは傑作率はEFレンズより高いかも知れないけど、構図に偏りが出る事もあり、秀作率はぐっと下がります。またEOSに比べ、機材に不具合が出る確率が高いです。結果壊れにくいEOS+EFレンズの方が確実性があって、こちらを選ぶことが増えるのです
描写が聡明でフィジカルが強い(故障しにくい)。そこも含めデジタルフルサイズ一眼レフカメラのCanon EOS5D mark4とEFレンズは相当に優秀な組み合わせなのだと思います
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Canon EOS 5D Mark IV レビュー
はじめに
2016年に登場したキヤノンのフルサイズ一眼レフ EOS 5D Mark IV は、プロ・ハイアマチュア向けの名機として現在でも非常に評価が高いカメラである
5Dシリーズは長年にわたりキヤノンの「万能フルサイズ機」として位置付けられており、報道・風景・ポートレート・ブライダル・動画など、さまざまなジャンルのプロが愛用してきた。その流れを受け継ぎながら、5D Mark IVでは画質・AF性能・動画機能・操作性など、ほぼすべての要素が進化している
ミラーレス全盛の現在でも「完成度の高い一眼レフ」として中古市場でも人気があり、信頼性の高い撮影機材として評価され続けている。本レビューでは、実際の使用感や性能を中心に、EOS 5D Mark IVの魅力と弱点を詳しく解説していく
外観と操作性
EOS 5D Mark IVのボディは、マグネシウム合金を使用した非常に堅牢な作りになっている。防塵防滴構造も備えており、雨天の屋外撮影や厳しい環境でも安心して使用できる。重量は約800g(バッテリー込みで約890g)。近年のミラーレスと比較するとやや重いが、その分しっかりとしたホールド感があり、大きなレンズを装着してもバランスが取りやすい
グリップ形状は深く、手の大きいユーザーでも安定して握れる設計になっている。キヤノンの一眼レフは昔から「操作性が直感的」と評価されてきたが、この機種も例外ではない。シャッターボタン周辺には露出補正やISOボタンが配置され、背面にはジョイスティックと大きなコントロールホイールがあるため、ファインダーを覗いたままでも素早く設定変更ができる
背面モニターは約162万ドットのタッチパネル式で、メニュー操作やライブビュー撮影時のフォーカス指定が非常に快適だ。タッチ操作はスマートフォン感覚で使えるため、デジタル機器に慣れている人なら直感的に扱えるだろう
画質性能
EOS 5D Mark IVの最大の魅力は、約3040万画素のフルサイズセンサーによる高画質である。この画素数は、風景や広告写真などの高解像度が求められる撮影でも十分な余裕がありながら、データサイズが極端に大きくならないバランスの良さを持っている
キヤノンの特徴である「自然な色再現」はこの機種でも健在だ。特に人物の肌色表現は非常に美しく、ポートレート撮影ではナチュラルで柔らかい印象の写真が得られる。これは多くのプロフォトグラファーがキヤノンを選ぶ理由の一つでもある
また、ダイナミックレンジも従来機より大幅に改善されており、RAW撮影でのシャドー持ち上げ耐性が高い。風景写真などで暗部を後処理で調整する場合でも、ノイズの少ない画像を維持できる
ISO感度は100〜32000
※拡張で102400
高感度ノイズも非常に少なく、ISO6400程度までなら実用レベルの画質が保たれる。夜景や室内撮影、ライブ撮影などでも安心して使用できる性能だ
AF性能
EOS 5D Mark IVには 61点AFシステム が搭載されている。これは上位機種から受け継がれた高性能なAFシステムで、動体撮影でも非常に高い追従性能を発揮する
特に中央AFポイントは −3EV という非常に暗い環境でも合焦可能で、夜間撮影や暗い室内でも正確にピントを合わせることができる。スポーツ撮影や野鳥撮影など、動く被写体でもしっかり追従してくれるため、幅広いジャンルに対応できる
さらにライブビュー撮影では デュアルピクセルCMOS AF が使える。これはキヤノン独自のAF技術で、動画撮影やライブビュー時でも非常に滑らかで正確なピント合わせが可能になる。タッチパネルでフォーカス位置を指定すると、スムーズにピントが移動するため、動画撮影でも自然なフォーカスワークができる
連写性能
連写速度は 約7コマ/秒
これはスポーツ専用機ほど速くはないが、一般的な撮影では十分な速度だ。結婚式やイベント、子供の運動会などでも決定的瞬間をしっかり捉えられる
バッファ容量も大きく、RAW連写でも比較的長時間撮影できるため、プロの現場でも安心して使える性能になっている
動画機能
EOS 5D Mark IVは動画機としても一定の評価を受けている。4K動画(4096×2160)に対応しており、高精細な映像を撮影できる。ただし動画機として見るといくつか注意点もある。まず4K撮影では 大きなクロップ(約1.74倍) が発生する。そのため広角レンズでも画角が狭くなってしまう。また動画のデータ容量が非常に大きく、長時間撮影には大容量のカードが必要になる
しかしデュアルピクセルAFのおかげで、フォーカスの追従は非常に優秀だ。人物撮影やVlogなどでは自然なピント移動ができるため、動画用途でも十分実用的である
信頼性とプロ用途
5Dシリーズが長年プロの現場で使われてきた最大の理由は「信頼性」である。シャッターユニットは耐久性が高く、長期間のハードな使用にも耐える設計になっている。またデュアルカードスロット(CF+SD)を搭載しており、同時記録やバックアップ記録が可能。結婚式や報道撮影など「撮り直しができない現場」では非常に重要な機能だ。さらにGPSやWi-Fi機能も搭載しているため、撮影場所の記録やスマートフォン連携も可能になっている
弱点
EOS 5D Mark IVは非常に完成度の高いカメラだが、弱点もいくつかある。まず価格が高いこと。発売当時はボディのみで40万円以上という高級機だった。現在は中古価格が下がっているものの、それでも入門機と比べると高価な部類である
また一眼レフ特有のサイズと重量も、人によってはデメリットになる。ミラーレス機と比べるとどうしても大きく、持ち運びには多少の負担がある
動画性能も、最新のミラーレス機と比べるとやや古い仕様になっている。特に4Kクロップは動画ユーザーにとって不満点となることが多い
総評
EOS 5D Mark IVは「完成された万能フルサイズ一眼レフ」と言えるカメラだ。画質、AF性能、操作性、信頼性のすべてが高いレベルでバランスしており、プロからハイアマチュアまで幅広く満足できる性能を持っている
特に人物撮影や風景撮影では、キヤノンらしい美しい色再現と高解像度センサーの組み合わせにより、非常に魅力的な写真を撮影できる。動体撮影やイベント撮影でも安定した性能を発揮するため、「どんな撮影でも安心して使えるカメラ」と言えるだろう
ミラーレス時代になった現在でも、このカメラの評価が高いのは、長年培われてきた一眼レフの完成度の高さにある。操作の確実性、光学ファインダーの見やすさ、バッテリー持ちの良さなど、一眼レフならではのメリットは今でも魅力的だ。
これからフルサイズ一眼レフを使ってみたい人や、信頼性の高い撮影機材を求めている人にとって、EOS 5D Mark IVは非常におすすめできる一台である
完成度の高い「最後の名機の一つ」として、今後も長く愛され続けるカメラだろう